歯科医師はむし歯を治療できない?

多くの歯科医師たちにとって、むし歯の治療とは、痛みを取り除き、崩れた歯を修理し、モノを噛めるようにすることです。

しかしそれは、むし歯という病気を治すこととは無関係で、むし歯を治さなくてもできることです。
多くの歯科医師たちにとって、むし歯が治ったかどうかは患者さんの訴える悩みが解消されることであり、むし歯や歯の病気が治るかどうかではないのです。

歯科医師はむし歯を治療できないという話を、もう少し具体的にします。

Aという歯科医師がいます。
彼は有名な歯科医師で、演説や文筆活動で多くの歯科医師たちに影響力を与える歯科医師です。
Aは「日本歯科評論」という歯科の専門誌に掲載した文章の中で、次のように語っています。
「むし歯はていねいに治療したところでせいぜい16年もつかです。
たとえ21年もったとしても、いまの人生85年といわれる時代に通用しません」Aは、その文章を次のように続けています。「たとえば大臼歯がむし歯になったとしますと、治療したものが結局むし歯で抜歯されて入れ歯になります。歯の治療というものは、こういう経過をたどるわけです」ここで、「何年もつか」という言葉に注目します。自分が病気にかかったと想像してください。その病気の治療で治ったとします。その場合、「あと何年もつか」などと考えますか。「あと何年もつか」とを考えるのは治っていないからなのです。