日本人にとっての歯の課題

歯科疾患に対する治療に重心を置いた古い制度が現在もなお続いている日本。今日の日本の歯科医療費については、先進諸国と比較して決して高額だとは言えません。しかし、現在の財政状況や今後の超高齢社会到来に伴う社会保障費の増大への抑制が必要ななかでは、歯科医療費の著しい増加を行うことは非常に困難であると言われています。

つまり、限られた財源の中で国民の口腔衛生状態を改善していかなければなりません。また、高齢者の人口増加に伴う歯科医療費の高騰を抑制するためには、歯科疾患の発生を抑えて将来の治療への需要を減少させることが何より重要であると考えられています。しかし、現在の日本では果たしてこの目標を達成できるのでしょうか。成人における歯科疾患の罹患率が他国と比べても高い日本社会においては、この改善なくして将来にわたる公的保険での歯科医療の維持は困難だとも言えます。

そもそも欧米では、う蝕、歯周病といった歯科疾患は予防可能であるということが人々の当たり前のコンセンサスとなっており、各国ではこれを基に歯科医療政策に対する制度改革が行わ れています。一方、日本においては患者負担率の増加が行われているのみで、抜本的な制度改革はいまだに行われていないと言えるのではないでしょうか。歯科疾患は予防可能な疾患である、という世界標準の意識を日本でも広く普及させて、日本人の口腔機能維持への行動変容を促すことが日本における当面の課題と言えそうです。

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