高齢者アクティビティ

年齢とともに、身体のあちこちにトラブルや不調が現れる「衰え」は、年齢には逆らう事ができないと諦めがちですが、人生100年時代を生きる、高齢者の皆さんにとって、「健康」を維持する事は、先の長い人生を送る上で、大きな課題となってくるようです。「健康」を維持する上で、内科クリニックや歯科医院、整形外科、眼科など、毎日のように病院巡りを行っている、お年寄りも少なくないのではないとは思われますが、何よりも、運動不足は、万病の元であるなどと言われています。毎日の単純なアクティビティだけでも、血流をうながし、体温の上昇によって、免疫力が上がるような研究データも出ているようです。現代の生活の中での便利な文明の発展に頼るだけではなく、ほんの小さな心掛けだけでも、行動にうつしてみる事が大切です。例えば、掃除を行う中で、雑巾をい絞ったり、拭き掃除を行うアクティビティを、日々の生活の中に取り入れてみる事なども有効です。お部屋の整理整頓を兼ねながら、ちょっとした運動が行えるのですから、一石二鳥と言う訳です。毎朝のジョギングや体操を行う事は、理想的な生活習慣ではありますが、高齢者が急激に身体を動かし始めると、何かしら他の部分でストレスを掛け過ぎてしまう可能性もありますので、まずは、室内で行える簡単なアクティビティをみつけてみましょう。

高齢者の口腔ケアのススメ

「除菌」「殺菌」が叫ばれる現代生活の中で、皆さんは衛生的な暮らしを実現していると感じているかもしれませんが、何よりも細菌たちの絶好の住み家となっているのが、皆さんのお口の中であるのです。こんな事を話していると、皆、ギョッとした顔つきになるのですが、細菌たちは、皆さんの身体のあちこちに住み家をもっています。彼らにとって、温度、湿度、栄養などの好条件が揃えば、そこは細菌パラダイスでもあるのです。高齢者に多い誤嚥は、この細菌たちが飲食物や唾液などと一緒に、気管や肺に入り込み、悪さをする事から始り、肺炎を引き起こすようなキッカケとなる事があるのです。高齢者にとって、肺炎は命取りとなるような重大な危機と考えるべきであり、まず、誤嚥を予防するには、口腔ケアが重要であると、専門家たちは述べています。歯科に定期的に通院することは、口腔ケアの第一歩であり、生命を守る第一歩でもあるのです。近年、日本では、高齢化社会を迎え、高齢者が自宅で受診できる医療システムの導入や普及が急ピッチで進められています。訪問歯科診療も、その取り組みの1つとされ、多くの患者さんの治療や口腔ケアが行われています。何よりも口腔ケアは、棺桶に入るまで、継続して行わなければならない、大切な介護の見守りの1つであります。高齢者にとっての口腔ケアが、大変大切であるというじゅうようどの認知が、今後益々広められていければと考えています。

電動歯ブラシとは何か

電動歯ブラシは既によく知られた存在になっていますが、未だに効果的な使用法を押さえていない人が少なくありません。電動歯ブラシはどのような人が、どのような状況で使用すると効果を発揮するものなのでしょうか。電動歯ブラシの歴史は短く、欧米でも実用化したのは1960年代以降のことでした。それが日本に輸入され、国内メーカーが追随したのです。そしてメーカーが販売時に重視したのは、電動歯ブラシの効用を分かりやすく伝えることでした。

今でもそのアピールは続けられていますが、その骨子は変わっていません。電動歯ブラシは単に「自動である」ことだけが売りなのではなく、微振動で手用歯ブラシよりも綺麗に出来るのです。但し機械の動きに頼る以上、細部の汚れを残してしまったり、重かったり、高価であったりするデメリットもあります。ですから電動歯ブラシのメリットとデメリットをきちんと踏まえた上で、購入を検討すべきなのです。

電動歯ブラシの使用が推奨される人は、次のような方々です。すなわち、手用歯ブラシで磨く頻度が低く、歯周病が進行している人、老化や障害で手用歯ブラシを上手く扱えない人、ブラッシングが苦手な人、手用歯ブラシでは落とせない汚れが付着している人、矯正装置を付けている人等です。電動歯ブラシは慣れれば簡単に扱えますが、誰もが留意すべき注意点もあります。一つは、電動で動くため、フレキシブルに強弱を調節できない点です。必要以上の圧力で歯が削れてしまったり、歯肉が傷ついたりする恐れがあるのです。二つ目は、電動歯ブラシを使った後に、手用歯ブラシや歯間ブラシ、デンタルフロスを使って再度清掃する必要がある点です。

義歯用歯ブラシ

世の中にはたくさんの種類の歯ブラシが存在しますが、中には義歯用歯ブラシもあります。義歯は虫歯にはならないものの、プラークと呼ばれる汚れは付着します。このプラークをそのままにしておくと細菌が発生し、残存歯の健康にも影響を与えます。特に歯周病や口臭、口内炎は、残存歯と共に全身の器官に悪影響を与えます。

ですから義歯用歯ブラシを使って丁寧に磨く必要があるのです。義歯の場合、プラークの付きやすい所は決まっていますから、そこを重点的に清掃できるように設計されたのが義歯用歯ブラシだということになります。因みにプラークの付きやすい箇所とは、クラスプの内面や残存歯と接する部分を指します。部分義歯であれば、その形状は人それぞれでしょうから、なるべく自分に合った形の義歯用歯ブラシを選択することになります。義歯用歯ブラシの外見は変わっているものも多く、例えば1本に2つの植毛部が存在するもの、柔らかい毛と硬い毛が混在するもの、植毛部が円型のもの等が存在します。これらは使い辛そうに見えますが、用途に合わせて用いれば、その機能性に驚くはずです。因みに義歯用ブラシにも電動のものがあり、使用している人がいます。但し義歯の清掃は非常に細かく、単に歯に当てるだけでは上手くいかないため、電動歯ブラシを使う時は義歯用の洗浄剤を併用すると良いでしょう。

さて、電動歯ブラシについて触れましたが、多くの人はその存在を認識しながらも、どのような人が、またどのような場面で使用すると効果的に清掃できるのかを、よく理解していないことでしょう。電動歯ブラシは高価ですが、正しく使えば手用歯ブラシよりも高い清掃効果を期待することが出来ます。ですからあまり詳しくない人は、ここで電動歯ブラシの基本について学習することにしましょう。

虫歯の理由

虫歯を予防するために毎日歯磨きを行いますが、そもそも虫歯はどのような仕組みで発生するのでしょうか。虫歯は、ミュースタンス菌などの虫歯菌、歯の質、糖質の三つの要素が原因となって発生します。原因となる虫歯菌は、砂糖などの糖からグルカンという物質を作り出します。グルカンは粘着性が高く、歯の表面に強く付着するそうです。この付着したグルカンと細菌が固まったものが、歯垢となります。歯垢の中にいる虫歯菌は、糖分を餌に増殖、さらに糖分を分解することで酸を作りだします。酸は、歯を覆っているエナメル質の内部から、カルシウムやリンを溶かします。こうしてエナメル質の内部からスカスカにしていくことで歯に穴が空き、これが虫歯になるのです。

虫歯菌は、一人一人持っている数が違います。体質に加え、赤ちゃんの頃に母親とスプーンを共有したなどで感染する場合が多いそうです。虫歯菌の感染が少ない人は持っている虫歯菌が少なく、虫歯になりにくい体質となるそうです。虫歯菌は専用の器具を使って確かめなければ、自分では分かりません。しっかりと歯を磨き、間食をしていないにも関わらず虫歯になりやすいという人は、虫歯菌の所持が多いということが考えられます。 虫歯は、歯と歯の間の重なった部分、奥歯の噛み合わせ、歯の根元、詰め物の周りなどに発生しやすくなっています。逆にいえば歯垢が溜まりやすい部分とも言えますので、歯磨きをする時には意識的にブラシを当てる必要があります。歯科では、歯垢に色をつけて磨き残しを確認できる「染め出し」を行えますので、磨き残しの心配がある場合は相談してみましょう。虫歯が進行してしまうと歯の治療は困難になります。早めの治療と、しっかりした予防が必要です。

大人の歯科矯正

歯科矯正は子どもが行っているイメージが強いですが、大人でも行うことは可能です。最近では目立たないような矯正方法も増えていますので、日常生活に大きな変化がなく治療ができます。ただし、大人の歯は成長過程の子どもと比べて動きにくく、時間が掛かりやすいとされているそうです。ただし、大人にやらされている子どもの矯正と違い、大人は自ら「治したい」という意思を持って治療に取り組みますので、効率的に進めることができると言えます。歯科矯正を行うことで見た目が良くなることはもちろん、噛み合わせも改善されますので、肩凝りや腰痛などの不調が緩和されることもあるそうです。ただし大人の歯を動かすためには隙間が必要になり、場合によっては抜歯を行うことがあるそうです。

矯正の装置は、大きく分けて三種類あります。ひとつはマルチブラケットという方法で、歯の表面にブラケットという材料を接着し、その溝にワイヤーを通して歯を正しい位置に動かします。プラスチックやセラミック製のものは透明で目立ちにくいため、人気があるそうです。二つ目は、リンガルブラケットという方法です。歯の裏側にアーチ状に装置を装着し、裏側から歯をずらします。一見して矯正器具が見えないことがメリットです。三つ目はクリアライナーという方法です。透明なプラスチック製のマウスピースを、歯に被せるように装着します。ワイヤーを使わないため、ほとんど目立ちません。歯を覆っている状態ですので、虫歯や歯周病になりにくいというメリットがあります。どの装置を使うかは、歯の状態や自分の生活スタイル、費用や期間を見ながら選びます。大人になって歯並びが気になるという人も多いそうですので、歯科で相談をしてみましょう。

詰め物が取れた場合

歯に詰め物やかぶせ物をしている場合、取れてしまうこともあります。詰め物やかぶせ物が取れたまま放っておくと、そこから虫歯が進行しやすくなりますし、別の歯にも悪影響を与えやすくなります。どんなに忙しくとも、早めの処置を行いましょう。出張先や旅先であっても、事情を説明すれば仮のかぶせ物の治療を行ってもらえます。穴が空いたままの状態にしないようにしましょう。場合によっては、食事中などで詰め物やかぶせ物を飲み込んでしまったということもあるかもしれません。歯の詰め物には、金属やセラミックなどさまざまな種類がありますが、基本的にはどれを飲み込んでも体に影響はありません。便と共に対外に排出されますので、心配は不要です。ただし、食道ではなく気管に入った場合や、のどに引っかかったという場合は、すぐに病院に行きましょう。その場合は歯科ではなく、それぞれの専門機関に処置をしてもらう必要があります。

詰め物やかぶせ物は、キャラメルなどの粘着性のあるものを食べたときに外れやすいそうです。歯は押す力は強いですが、引っ張られる力には弱いことが原因とされています。また、詰め物などが古い場合には劣化してしまうので、変形をして取れやすいとされています。加齢や治療などで、歯そのものが変形している場合もあるそうです。 詰め物やかぶせ物をしていても歯が痛い、物がしみると感じる場合には、この変形が原因になっていることが多いと言われています。隙間から細菌が入り込み、内部で虫歯が進行していることも考えられます。見た目には分かりづらいですが、早めの治療が必要です。取れてからや、痛みが出てから歯科に行くのではなく、定期的な健診を行い、詰め物やかぶせ物のチェックを行うことが大切です。

親知らず

親知らずは、親の手から離れた頃に生えることからこうよばれています。正しく歯第三臼歯とされており、多くの場合は18歳~20歳で生えてくるそうです。現代人は食生活の変化などで顎が小さくなり、親知らずが斜めに生えるなどのトラブルが多くなっています。生えてこないことで問題がなければそのままでも構わないそうですが、一度歯科で正しく検査をしてもらう必要があります。

親知らずが生えてきた場合、抜くか抜かないか、迷う場合があるでしょう。結論から言うと、「生やしたままで問題がなければ、そのままでも構わない」と言えます。しかし、斜めに生えていない、途中までしか生えていないという場合は、早めに抜いた方が良いそうです。親知らずが正常に生えていない場合は汚れがたまりやすく、虫歯のリスクが高まることや、歯茎の炎症に繋がることも多いとされています。炎症が重症化をしてしまうと、顔が腫れてしまうことや、口を開けにくくなるなどの問題も発生します。他にも、手前の歯に食い込むような親知らずの生え方をしている場合、手前の歯の歯根を吸収して溶かしてしまうこともあるそうです。症状が進むと、親知らずの抜歯だけではなく、歯根が吸収された別の歯も一緒に抜かなくてはなりません。他にも、汚れがたまりやすいことから虫歯はもちろん口臭の原因となってしまうこともあります。少しでも問題を感じた場合には、虫歯や歯茎の炎症を起こす前に、何かしらの対応をする必要があると言えるでしょう。

正常に生えているという場合でも、親知らずは一番奥の歯ですので、もともと虫歯や歯周病のリスクが高いとされています。現時点で痛みなどがなくとも、歯科医師と相談をした上で抜歯を決める人もいるそうです。

コミュニケーションツール

近年、高齢化が進み、介護の世界では多くの人手不足に悩まされているというのはご存知でしょう。介護を必要とする方達は、そのほとんどが人生の大先輩であると言えるでしょう。どういった介護が必要かどうかは人によって様々ですが、中には歯磨きも困難であるという人もいるようです。本来なら自分自身で行う歯磨きを介護者が代わりに行ったり、場合によっては、要介護者に歯ブラシを持たせ、その後ろから介護者が体を抱えながら手を添えて磨くという方法もあるようです。また、介護のレベルというものは「口の中を見ればわかる」とも言われているようで、歯磨きや口腔ケア自体が介護の基本であり、コミュニケーションツールとして注目されているとも言われているようです。それは、スキンシップとしての効果が大きいと考えられており、歯磨きを通じて愛情や思いやりを伝えることにより、改めて幸せを感じることができると言えるのではないでしょうか。このようなことからも、改めて歯磨きの意義を見直していくことが重要視されているようです。歯磨きの意義には、健康管理、感染病の予防、自己愛、感性を磨く、手先の訓練、脳の活性化
、達成感の獲得、向上心を育てる、セルフコントロールの実践と実感、健康の輪を広げるなどが挙げられるでしょう。このように、人生を豊かにするためのコンテンツが「歯磨き」には詰め込まれていると言えるでしょう。歯医者さんに行けず、また自身で歯磨きが困難な方達も一緒に、より良い未来と健康的な生活を目指していけたら素敵なのではないでしょうか。面倒臭い習慣としてではなく、コミュニケーションツールとしても、毎日に取り入れることができたら、介護者も要介護者も気持ちの良い毎日が過ごせるのではないでしょうか。

自力本願

むし歯だけでなく、その他の病気にかかってしまった時、ほとんどの人がお医者さんを頼り、依存してしまうといった傾向にあるのではないでしょうか。それは、薬の神格化などの影響もあるでしょうが、一番に「誰かに頼っていれば楽」というのが人間の本質であると言えるからではないでしょうか。しかし、お医者さんに依存したところで病気は治らないのが現実でしょう。本来であれば、病気にかからないために行っていくべき予防も、病気を治すために行っていく治療も、基本的には自己責任といえ、何と言ってもセルフケアが重要であると言えるのではないでしょうか。お医者さんに通院したら治ると思っていては大間違いです。重度にかかわらず、病気に対抗するためには、他力本願では太刀打ちできないと言えるでしょう。とくに、身近なところと言える歯科治療というものは、私たちと歯医者さんとの共闘関係を築いていくことが望ましいとされているようです。共闘関係とは「戦友」とも呼べる関係であり、ともに高め合っていける関係と言えるでしょう。私たちが習慣化したいと考えている歯磨きは、歯医者さん依存症から脱けだすための第一歩であると言え、それを習慣化することにより自立するということを覚え、口腔内のみならず、健康や、最終的には各々の人生観にも良い影響を与えることができると考えられるのではないでしょうか。「歯」に対して高い意識を持つことや、その大切さを知ることで、周囲の人にも好影響を与えるため、誰かと目標を立てて行うのも良いのではないでしょうか。家族でも友人でも、歯医者さんでも良いでしょう。みんなで協力し、影響し合って健康を保っていけたら素敵なのではないでしょうか。セルフケア、セルフコントロールの輪を、自分からどんどん広めていきましょう。