行政ができる予防歯科

キシリトールの活用も行政ができる予防の一種です。キシリトールとは、砂糖にかわる甘味料の一種です。その働きとして虫歯菌であるミュータンス菌に酸をつくらせない、という効果があります。虫歯菌は砂糖と間違えてキシリトールを取り込むことで弱ってしまい、歯を溶かす酸をつくることができません。このようにキシリトールも虫歯予防には有効ですが、国は水道水へのフッ素添加と同様に、あまり積極的に推奨はしていません。世界標準からみても予防歯科に消極的である日本の厚生労働省は、残念ながら国民の歯の健康についてはまだまだ意識が低いということを認めざるを得ません。

私たち日本人の多くが、歯が悪くなるのを待ってから治療し、また悪くなってしまったら治療を重ねる。しかも世界標準ではかんがえられないような悪質な材料を使った保険治療を、しっかり理解し深く考えないままに受ける、というのが日本人の歯科医療の実態とも言えます。その原因とも言える日本の歯科医療制度について、その仕組み自体が私たちの歯を悪くしている、と言えるのかもしれません。そもそも国がやるべき予防歯科という施策について、日本でも保険の範囲内にちゃんと予防歯科を導入すれば、わたしたちは歯科医療費を大幅に減らすことができるはずです。ましてや今後ますます高齢化がすすむ日本の社会においては尚更ですが歯科保険制度をもっと意義あるものに変革していく必要があるといえそうです。

予防のためにできること

虫歯大国・歯周病大国と称されることもある日本ですが、平成17年の日本の歯科疾患実態調査によれば、80~84歳の1人平均現在歯数は8.9歯、また80歳以上で20歯以上を有する者の割合は17.3%です。このことから日本では「健康日本21」の目標の早期実現に向けて更なる国民の意識への喚起が必要であることがうかがえます。国民の健康を守るべき厚生労働省も、これまでの予防歯科への消極的な態度を改めて、一刻も早く世界標準レベルをめざした対策をおこなうべきです。つまり保険の適用範囲についても早々に改善をはかるべきだと言えるでしょう。

「8020(ハチマルニイマル)運動」の実現に向けて、予防歯科を保険適用範囲へと変えることで、スウェーデンのように予防歯科に力を入れ、虫歯や歯周病になる人を減らしてほしいものです。また、予防歯科のために国ができることは他にもまだあるはずです。たとえば水道水へのフッ素添加です。みなさんは世界の100カ国以上で水道水にフッ素が添加されている事実をご存知でしょうか。フッ素は歯や歯茎に悪いとされる酸の分泌を抑えるだけでなく、細菌を出す酵素の働きを阻害し、唾液中に含まれるミネラルの沈着を促進して歯の再石灰化を助けてくれます。虫歯になりやすい歯に作用して、歯そのものを強化してくれるというメリットもあります。フッ素が危ないと思っている人もいるようですが、日常生活で普通に水道水を摂取する分には、何の問題もないということを科学的根拠からしっかり理解しておくべきでしょう。

保険の範囲内で行う歯科治療の限界

外国で主に使われている歯科材料は、日本の保険がきく金属の3倍の耐久性があると言われています。では日本においては一体どのような歯科材料が使われているのでしょうか。考えてみれば、私たち日本人の多くはこれまで自分が受ける歯科治療の内容について、納得のいく説明を十分に受けないまま、ただただ歯科医師のいいなりになって治療を受けてきてはいないでしょうか。歯の問題は本来なら、治療前にその材質や耐用年数について丁寧で詳しい説明を受けて納得した上で選択をするべき大切な問題です。長い目で見れば全身の健康にすら影響を及ぼしかねない重要な問題を、私たちは他人任せにしてきたとは言えないでしょうか。もちろん担当する歯科医は事前に患者一人ひとりの幸せな人生について考えたうえで、適切なアドバイスを行うようにするべきです。であるならば患者も然り、他人事のように不勉強なまま治療するのではなく自分の意見をもって臨むべき治療であるはずです。患者と歯科医の両者が、治療の限界についてよく理解した上で、しかるべき選択を行う、それが本来あるべき理想的な歯科治療と言えるのではないでしょうか 。

では歯科医療にだけ留意すれば、私たち日本人は幸せで健康な歯科ライフを手に入れることができるのでしょうか。ご存知の通り、もともと歯には自然治癒力がありません。つまり一旦悪くなってしまった歯は、治療によってその悪化を食い止めることができたとしても、元の歯より良い歯にするということはできないのです。そこで昨今世界的に注目されているのが予防歯科です。予防歯科とは、虫歯や歯周病にかかる前に事前に予防することです。日本では残念ながら「歯は悪くなってから治すもの」、という歯科治療が当たり前です。また、健康保険制度でも予防歯科は残念ながら取り入れられていません。つまり、現状の日本の歯科医療制度において予防歯科は対象外なのです。そのため日本人の予防歯科に関する意識が、世界標準よりかなり低くなっていると言えそうです。

歯科における保険治療と自費治療

日本人のほとんどが経済的事情から今のところ保険治療を選択していると言えます。しかし私たちの選択肢には、じつは保険治療の他にも「自費治療」というものが含まれているということを皆さんはご存知でしたでしょうか。実際には、歯科で治療を受ける場合、保険治療と自費治療とどちらを選ぶかということについて、事前にその違いをしっかりと認識している人、もしくは医師から詳しい説明を十分に受けたことがある人は少ないかもしれません。たとえば、歯科で治療を受けたにもかかわらず、その後に「かぶせ物が取れてしまった」という残念な経験がありませんか?こんな場合、時には歯科医の技術不足や経験不足が原因であることも多いのかもしれませんが、決してそれだけが原因とは言い切れません。実はその歯科治療に使用された材料の質が良くなかった、ということが原因であるかもしれないのです。

じつは日本の歯科現場では、海外ではすでに使用されていないような時代遅れな材質がいまだに使われているというケースが後を絶ちません。ではなぜそんな時代遅れな材質が先進国であるはずの日本において使われてしまっているのでしょうか。その原因がじつは保健制度にあったとしたらどうでしょうか。本来ならば人体には使用すべき材料ではない、とされているような世界標準から見て時代遅れな材質でも、日本の保険治療においては予算の都合上から使わざるを得ない、というような保険制度上の事情が実はあるのです。外国ではセラミックなどの材料をのぞいては一般的に金合金を使うケースが多くあります。金合金はフィット感がよいだけでなく錆びないで長持ちするという利点があるからです。しかしながら、日本においては良質な金合金ではなく、銀合金が使われています。フィット感がよくて錆びない金とは違って、銀は錆びてしまいます。フィット感もわるいため隙間ができやすく新たな虫歯を生みやすい、というデメリットがあります。そんな粗悪な材質を使わざる得ない日本の歯科保険制度には、やはり疑問を抱かざるを得ません。日本人の多くがこれまで見過ごしてきてしまったこの制度上の問題点について、私たちはいま一度真剣に見直してみる必要があると言えそうです。

日本の歯科医療制度

私たち日本人は、歯科を受診する際ほとんどの人が健康保険を利用しています。ではこの日本の歯科保険制度について、改めて考えてみたことがある人はどのくらいいるでしょうか。実はこの日本の歯科保険制度には他国にはないある問題があるのです。じつは世界標準と比較すると、日本の歯科医療制度には再考されるべき点が指摘されています。日本の歯科医療制度は、普通の医科の保険制度とは全く違うある問題を抱えており、それが私たち日本人の歯への意識に大きな影響を与えているからなのです。たとえば、あなたはこれまでに保険で歯科医療を受けた後で、治療した歯と同じところがまた悪くなった、または、取れてしまった、などという経験をしたことがありませんか。もしあるとすればそれは日本の歯科医療制度へのこれまでの信頼が実は間違っていたのかもしれない、ということを考えてみるべきチャンスだったのです。

日本においては国民はすべて健康保険への加入が義務付けられています。いわゆる「国民皆保険制度」ですが、この制度のおかけで私たちはいつでもどこでも保険医療を受けることができます。1958年から始まったこの国民皆保険制度は、世界保健機関(WHO)でも、安い治療費で治療が受けられる世界一の制度である、と評価されてきました。たしかに、この制度のおかげで私たちは日常生活で運悪くケガや病気になったとしても、すみやかに医療機関で治療をうけることができ、最先端医療ですら保険が適応されます。つまり、医科治療においては普通の治療を保険で受けることができるのです。ではこれは歯科でも同様である、と言えるのでしょうか。そうだと信じている人が多いのが現状といえますが、残念ながら実質的にはそうではないと言わざるを得ません。たとえ形式上は医科と同様、または保険が利く、と言えたとしても、実質上は油断のできない欠陥制度である、というのが日本の歯科医療制度の実態なのです。そこで、私たちは日本の歯科医療制度の問題点について、いまいちど見直してみる必要があります。

歯科先進国をめざして

日本の国民一人当たりの歯科医師数は、国際的には多い方だと言われています。一方で、12歳児の虫歯の経験率は高い方だと言えます。また、虫歯の経験率は近年になって多少の改善がみられるようになったものの、国際的にはまだまだ高い水準にあります。これから日本が世界標準に近づいた歯科先進国となるためには、虫歯などの不具合が出てから慌てて歯医者に行くという従来のスタイルを変えていく必要がありそうです。

欧米人のように虫歯や歯周病にならないために定期的に検査に通う、という習慣に変えていく必要があるのです。たしかに現在の日本の歯科医療制度では予防は保険診療として認められていませんが、制度が変わるのを待っているだけではいけません。まずは個人の歯への意識改革が必要です。一人ひとりが予防歯科のための日常の行動を変えることから始めてみることが大切です。

例えば、歯周病が発症する主な原因はプラークだと考えられていますが、そのプラークを完全に除去していれば歯周病はほぼ発症しません。しかし従来のブラッシングだけではプラークを完全に除去できません。つまり予防歯科が必要なのです。私たちはこれから歯科医院で定期的に汚れ具合を検査したりプラークを除去してもらったりすることを習慣にしたいものです。また、良い歯科医院かどうかをしっかり見極めてから選ぶということも大切だと言えるでしょう。

 

キャンセルについて

最近、歯科医院の業界で問題になっていることが多い、事例としては、患者側がいくつかの歯科医院に予約をして、ひとつの歯科医院を選び、その他を全てキャンセルしてしまうというケースが、少なからずあるようです。これは、インターネットで見た情報のため、どこまで信憑性があるのかはわかりませんが、全くの嘘であるということはないでしょう。最近では、歯科医院の予約が簡単に取れるようになり、電話をしなくてもインターネットなどからワンタッチで予約をすることができるようになってきた、というふうにも言われています。そのような中で、選択の自由を行使して、予約を取り続けること事態には全く罪はないわけですが、歯科医院は非常に緊迫した財政状況の中で、経営をしているところもあり、そのような場所にとってはひとつのキャンセルが経営の命取りとなってしまうような可能性もあるということは、肝に銘じておく必要があります。常識としては、ひとつの歯科医院にしっかりと定めて、予約をしておくということは、一般的であると言えますが、このようにして自由の幅を利かせすぎている人がたくさんいてしまうと、予約方法の変更などを考えざるを得なくなってしまいますから、控えておくことが求められているわけです。このように現代技術の結晶であるインターネットが大きく発達したとしても、人の性格や優柔不断さを元とする問題などが後を絶たず、今後も増えていくというふうにも予想されているわけですから、どの歯科医院に行けばいいのかということを、まず、しっかりと考えた上で行動しておくことが重要だと言えるのではないでしょうか?

日本人にとっての歯の課題

歯科疾患に対する治療に重心を置いた古い制度が現在もなお続いている日本。今日の日本の歯科医療費については、先進諸国と比較して決して高額だとは言えません。しかし、現在の財政状況や今後の超高齢社会到来に伴う社会保障費の増大への抑制が必要ななかでは、歯科医療費の著しい増加を行うことは非常に困難であると言われています。

つまり、限られた財源の中で国民の口腔衛生状態を改善していかなければなりません。また、高齢者の人口増加に伴う歯科医療費の高騰を抑制するためには、歯科疾患の発生を抑えて将来の治療への需要を減少させることが何より重要であると考えられています。しかし、現在の日本では果たしてこの目標を達成できるのでしょうか。成人における歯科疾患の罹患率が他国と比べても高い日本社会においては、この改善なくして将来にわたる公的保険での歯科医療の維持は困難だとも言えます。

そもそも欧米では、う蝕、歯周病といった歯科疾患は予防可能であるということが人々の当たり前のコンセンサスとなっており、各国ではこれを基に歯科医療政策に対する制度改革が行わ れています。一方、日本においては患者負担率の増加が行われているのみで、抜本的な制度改革はいまだに行われていないと言えるのではないでしょうか。歯科疾患は予防可能な疾患である、という世界標準の意識を日本でも広く普及させて、日本人の口腔機能維持への行動変容を促すことが日本における当面の課題と言えそうです。

時代遅れの日本の歯科医療

欧米では、歯科医療サービスに対する公的保険の給付率が日本とくらべると大変低いことがわかります。一方で予防的な処置や定期的なチェックのための検診に対する保険給付率は日本より高くなっています。そういった欧米諸国と比較した場合、日本の医療制度は歯科疾患に対する治療に重心を置いた昔ながらの制度となっています。

日本では歯科医療が公的保険適用になった1920 年代から1930年代、工業的に生産された安価な砂糖が普及しました。その砂糖の消費が増大したことに伴って、のう触罹患率が急激に上昇したのです。その時期に確立した歯科医療体制が、現在もなお継続されている、という事実をご存知でしょうか。

歯科医療制度も同様で、1960年代に整備されたものがその時のまま継続されているのです。つまり、日本では古い歯科医療体制をひきずったまま、欧米諸国のような予防歯科への意識が二の次にされてきたと言えるのです。時代の変化やニーズに応じ、日本でも医療保険や医療体制は様々な変革を遂げてきたと言える側面はあるものの、その基本的骨格は現在もなお旧態依然のまま維持されてしまっている、と言わざるをえないのが日本の歯科医療制度の現状なのです。

治療の類別

歯科医師によっては、治療に6回7回と、非常に多くの回数をかけて治療をするということもあるようですが、このような先生に会うことができたならば、決してその先生は手放してはならないと考えられます。なぜならば、一人一人の時間を作るのが難しい中で、しっかり患者と向き合っている姿勢が見える他、ただ単に治療をするというわけではなく、患者の痛みを最小限に抑えるという姿勢が、治療の回数に現れているからなのです。このような治療法に対しては、不満を持つというよりも、むしろ、感謝をすべきではないかと考えられます。何回も治療するからといって、重大な病気であるとは限りませんが、それでも、回数を増やして治療するということは、それだけ患者に安心感を与えるということにもつながっているわけです。虫歯の治療というものは、一回では終わらないわけですから、何度も何度も繰り返し通うことになってしまうわけで、そのような中で、きちんと1度一度治療を進めるために、説明をしてくれる歯科医師に出会ったならば、大切にする必要があると言えるのではないでしょうか。最近では、見栄えばかりを気にして、建物を建てている歯科医院などもありますが、このようにどれくらい患者に向き合っているのかということは、あまり表に出てきません。インターネットで検索すれば、このようなタイプの口コミも多く出てくるようですから、参考にしてみるのがいいかもしれませんね。なにはともあれ、このようにして、十分に情報や知識をつけたうえで、歯科治療に臨むという姿勢が重要だと言えるのではないでしょうか。多くの人の場合は、このような段階で、十分に知識をつけないまま歯科医院を選んでしまっているために、何度か通っても自分に合わないと言って、断念してしまうというケースがあるという風にも聞いたことがありますから、特に、注意をしておくことが必要だと言えるでしょう。歯科医院も、様々な課題を抱えている中で、このように患者に対して誠実に向かい合っているというところは、大切にしておく必要があるといいます。